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ロタウイルス感染症

「ロタウイルス感染症」とは、ロタウイルス(ロタウイルスは、電子顕微鏡で見ると車輪のような形に見えるので、ラテン語で車輪を意味する「rota」から名付けられました)が原因で起こる感染性胃腸炎のことを一般に呼びます。

主な症状は、嘔吐、下痢、発熱で、下痢は鼻を突くすっぱい臭いがして、米のとぎ汁のような白色調を呈するのが特徴です。これは、便に色を付ける胆汁の分泌が悪くなるためで、別名「白色便性下痢症」とも呼ばれています。また合併症としてまれに痙攣や脳症、腸重積症などを起こすこともあります。

検査は、便の中にロタウイルスがいないかどうか調べます。外来では迅速診断キットで検査することが多く、10分程度で結果が判明します。

治療としては、ロタウイルスに効く薬はなく対症療法が中心となります。合併症がなければ、通常嘔吐は1~2日で、下痢は1週間で軽快します。嘔吐で水分補給が出来ず下痢が頻回で、脱水症状が見られる場合には点滴治療が必要となりますので、そのような場合には早めに医療機関を受診しましょう。

また、ロタウイルスは感染力が強いので、吐物、便の後始末をした際には、手洗いと消毒を十分に行いましょう。

予防としてはロタウイルスワクチンを任意接種で受けることが出来ますのでかかりつけ医の先生にぜひご相談ください。

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