院長のコラムColumn

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ひきつけ(熱性けいれん)

乳幼児期(生後6ヶ月から4~5歳まで)には、発熱時にひきつけ(熱性けいれん)をおこすことがたびたびあります。熱が急に高くなるときにおきます。一度ひきつけたお子さんの半数近くはまたおこすことがありますので、今後ひきつけたときのために、対処法や予防法を知っておくと良いでしょう。

ひきつけたときどうするか
  1. あわてないこと
    ひきつけは数分間で止まります。命にかかわることは、まずありません。
  2. 何もしないこと
    舌を噛むことはめったにないので、口の中に指や箸は入れないこと。大声で呼んだり、体をゆすったり、おさえつけたりもしないようにしましょう
  3. 楽な姿勢を
    体を横向きに寝かせ、衣服をゆるめ、ピンなど危ないものは取りはずしましょう。
  4. 吐くと危ない
    吐きそうなしぐさをしたら体ごと横にして、吐いたものがのどにつまらないようにしましょう。
  5. よく観察すること
    時計をみて、何分続いているか確かめましょう。またひきつけのようすをみて、あとで主治医にくわしく伝えられるようにしましょう。

ひきつけが治まり、落ち着いたら来院して下さい。ひきつけが10分以上続くようなら、ひきつけの途中でも、すぐに電話をして救急車を呼び、総合病院への搬送をお願いしましょう。

予防が必要なのは?
  • ひきつけたのが1回だけなら、通常は予防の必要はありません。
  • 2回ひきつけたら、この次から予防のための薬を使うかどうか、主治医とよく相談しましょう。

予防の方法

《薬》

ジアゼパムという抗けいれん薬の坐薬や飲み薬を処方してもらい、常備しておく。

《いつ?》

37.5℃を越す熱が出はじめたときなるべく早く使う。8時間後も熱が続いていたらもう1回使います(このあとは熱が続いていても使う必要はありません)。

《何年?》

最後にひきつけてからおよそ2年間、または4~6歳ごろまで使うことが多いようです。

《注意点》

眠くなったり、ふらつくことがあります。いっしょに解熱薬の坐薬を使いたいときは、先にひきつけの坐薬を入れ、30分以上たってから使って下さい。解熱薬を早めに使ったり頻回に使ったりしてもひきつけを予防することはできません。

夜中にひきつけをおこしてしまったらどうすればいいの?

ひきつけに気づいた時、一緒に眠ってしまって、ひきつけの持続時間が不明だったり、夜中ということで不安も大きくなったりします。夜中のひきつけの場合は、5分以上続くようでしたら救急車を呼び、総合病院への搬送をお願いしましょう。5分以内で治まるようでしたら、抗けいれん薬を使い、朝になってからかかりつけ医を受診しましょう。

※ 熱性けいれんをおこしたお子さんでも、2~3ヶ月あければ予防接種を受けることができますので、主治医とご相談下さい。

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